2026年|タイやマレーシアなど東南アジア諸国のREITを解説!
不動産投資をリート(REIT・上場不動産投資信託)で行うことは日本でも少しずつ一般的になってきました。
日本の不動産市場においては、東証REIT指数という指数がありREIT市場全体の市況感が分かるようになっています。
注意が必要なのは、不動産市場が上昇している時にREIT指数は必ず上昇するという訳ではなく相関関係はそこまで見受けられないということです。
以下は東証REIT指数を2016年頃から2025年までの直近10年間をチャートで見たものです。
以下のように棒グラフや各々の数字を組み合わせて1つのグラフの中に表示したものチャートと呼びます。
1つの棒が1つの月ごとの動きを示しています、これを月足と呼びます。

実体経済では都心部を中心に不動産価格が上昇を続けていますが、REIT指数は乱高下を繰り返していることが言えるでしょう。
本日は、東南アジアのリートに目を向けてみましょう。
2025年のリートは、どうなっているのか東南アジアの諸国を国ごとに解説します。
■マレーシア
マレーシアのREITの始まりは、20年ほど前にさかのぼります。
1989年、Amanah Harta Tanah PNB 2が、「Property Trust(不動産信託)」として初めて上場し、Arab Malaysian First Property Trust(AMFPT)が続きました。
しかし、この不動産信託は、マレーシア市場では盛り上がりを見せませんでした。
転機が訪れたのは、2005年、REITとその名を変え、マレーシア証券取引委員会が、REITのモニタリングを強化していくための、法的な枠組みを整備するガイドラインを導入してからです。
マレーシアには、「イスラムREIT(Islamic Reit)」と呼ばれるものがあります。
イスラムREITは、「イスラム不動産投資信託のためのガイドライン(Guidelines for Islamic Real Estate Investment Trusts)」によって規制されています。
イスラムREITのしくみは、従来のREITとほぼ同じですが、イスラムREITは、イスラム法「シャリア(Shariah)」に則ることが求められます。
シャリアを遵守していることを確保すべく、イスラムREITのしくみには、追加の組織として、シャリア委員会(Shariah Comittee)というものがあります。
この委員会の機能は、シャリア関連の事項に関する助言を与え、イスラムREITの運営と活動が、確実にシャリアに従うようにするものです。
従来のREITと違って、イスラムREITは、テナント(またはその大多数)がシャリア原則に合致した許可される活動を行っている不動産にのみ投資することができます。
したがって、イスラムREITの不動産取引は、アルコール、タバコ、ギャンブル、ハラルでない食品(豚肉など)を扱うなど、非倫理的とみなされる活動を行うテナントからの所得が、全体の収益の20%を超えないことになっています。
2024年7月時点では、マレーシア証券取引所には19社のREITが上場しています。
マレーシアの代表的なREIT指数の1つであるKL REITを2025年8月現在から過去5年間遡って見た時のグラフは以下の通りです。

指数の場合は、棒グラフの連続ではなく折れ線グラフになります。
これは、棒グラフがその時の最高値と最安値を縦軸で表現しているのに対して、指数の場合は終値ベースで表現されることが多いためです。
マレーシアの不動産市場はコロナ禍に大幅な落ち込みを見せて、実態経済にも大きな影響を及ぼしました。
ですが、コロナ禍を経て近年は上昇を見せています。
REIT市場においても、ここ3年ほど価格が上昇し続けていると言えます。
(出所:Bursa Malaysia)
■タイ
タイで始めてREITが上場したのは2014年で、比較的発達したREIT市場があります。
最初のREITは、不動産デベロッパー、バンコクランド(Bangkok Land)のImpact Growth REITです。
バンコク北部郊外にある、ASEAN最大のコンベンション・エキシビションコンプレックス「インパクト・ムアントンタニプロジェクト」(122,165平米)の資産を保有するものです。
(出所:Asia Nikkei)
2025年現在、タイ証券取引所(SET)には12以上のREITが上場をしています。
そのREITの中でも上位企業として挙げられることの多いAMATARの2016年からの2025年8月現在までの価格推移を見てみましょう。

2016年から乱高下を続けたAMATARの指数は2020年を頂点にして、大幅に下落してしまっており直近も回復を見せていないことが言えます。
タイはコロナ禍前にはGDPの20%ほどを観光業が稼いでおり、観光業に重きを置いています。
そのため、東南アジア諸国の中でもコロナ禍からいち早く抜け出す政策を取りました。
ですが、コロナ禍から抜け出してもREIT市場は下落を続けていたことが分かります。
大きな下落を見せた2021年の動きを以下に載せておきますが、なんと30%近くも下落してしまいました。
▼世界/タイREITの2021年値動き(出所:Bangkok Post)
2021年6月16日付のBangkok Postによると、5月21日時点で、タイREITの値動きを反映するインデックス、SETPREITは、パンデミック前レベルの30%近く下あたりを推移しています。
コロナ禍により大きな打撃を受けた、観光業系の建物を含むホスピタリティ部門およびリテール不動産によるところがかなり大きくなっているということです。
■インドネシア
インドネシアのREITは、2007年に「集団投資契約形式での不動産投資ファンディング (Dana Investasi Real Estat Berbentuk Kontrak Investasi Kolektif or "DIRE")」という形で整備されました。
DIREスキームで設立されたREITは、不動産資産、不動産関連資産、現金および現金同等物への投資のために投資家から資金を調達することができました。
規制が整備されてから何年もたちますが、インドネシアREITは、物件の売却にかかる税率の高さと、二重課税の問題から、あまり人気が出ませんでした。
インドネシア政府は、REITにかかる税金インセンティブを出しましたが、2025年時点で上場しているREITは3つ(2023年のデータ以降見当たらず)です。
(出所:インドネシア証券取引所)

最も最近上場したのは、2019年7月のDIRE Simas Plaza Indonesiaです。
ポートフォリオには、Grand Hyatt Jakarta(ホテル)、Plaza Indonsia Shopping Center(現地で有名なプレミアムショッピングモール)、The Plaza Office Tower(オフィスタワー)、fX Sudirman(中所得向けショッピングモール)など首都ジャカルタ中心部の有名な建物が含まれています。
■ベトナム
ベトナム法の下では、信託というコンセプトが存在しませんが、証券に関する新しい規制により、2013年7月から、投資家はファンド管理会社により運営されるファンドを設立して、不動産に投資することができるようになりました。
2015年、TCREITがホーチミン証券取引所に上場し、ベトナム初のREITとなりました。
2026年現在もTCREITがベトナムの証券取引所に上場する唯一のREITです。
管理するのは、Techcom Capital(TCC)です。
このREITは、証券コードFUCVREITです。
以下は、TCREITの2015年上場時からの推移をグラフにしたものです。

上場してすぐの2015年と2021年には大きな上昇を見せたものの、それ以外の期間では緩やかに下落を続けていることが分かるでしょう。
(東南アジアのREIT市場のチャートはすべてInvesting.comより引用)
▶あわせて読む
【国別】東南アジア不動産投資のおすすめ国と理由を一覧化した!
マレーシア不動産に投資するメリットは?4つの重要ポイントを専門家が解説
弊社では実務経験豊富なスタッフによる「国内不動産の売却」の海外富裕層・海外投資家への早期での高値売却を行っています。
国内不動産の売却に関する詳しい情報や、国内不動産の売却についてご不明点やご質問がありましたら、ホームページをご覧いただきお気軽にお問い合わせください。
また、海外不動産投資に関わる「無料の個別相談」を実施しています。
海外不動産投資に関する詳しい情報や、海外不動産投資を始めるうえで気になる点がありましたら、お気軽にご利用ください。
▶︎もっと詳しく知りたい方
以下のフォームから海外不動産に関する情報を配信しているメールマガジンにご登録いただけます。
フォームをご入力後、購読するを選択してください。
プロパティアクセスでは、様々なオンラインセミナーを開催しています。
セミナーの一覧は以下の画像からご覧いただけます。
少しでも、皆様にとって不動産市場の今後を考える上での手助けとなれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
