[キプロス] 外国人による不動産購入の規制&メリット

2019/05/07

[キプロス] 外国人による不動産購入の規制&メリット

前回の記事では、キプロスでは外国人も不動産を購入できることをご紹介しました。

■前回のおさらい

・外国人でもキプロス不動産(アパート、1戸建て、土地)の購入が可能
・購入できる不動産の面積は、合計で4,014㎡まで
・政府からの承認を取得しなければならないが、弁護士を通じて簡単に手続きできる

外国人(EU市民でない者)も、キプロスの不動産をフリーホールドで購入することが可能です。外国人は、不動産の売買契約に署名をしたら、Council of Ministers(閣僚理事会)からの承認を得なくてはなりません。ただし、この承認も形式的なものとなっているようで、弁護士を通じて簡単に手続きができるようです。


■キプロス不動産購入のメリット

1. キプロス投資プログラム:

一定の条件を満たした投資をすることで、キプロスの市民権を得ることができます。キプロスのパスポートを取得すると以下のようなメリットがあります。

・EU市民となる:キプロス市民権を得れば、EU市民となります。つまり、ヨーロッパ28か国のどこでも住む、働く、勉強する自由が得られることになります。

・ビザなし旅行:キプロスパスポートは世界でも強いパスポートの一つです。170か国以上にビザなしで渡航できます。The Henley and Partners Groupによるパスポートインデックスでは、ビザなしで入国できる国・領土の数でパスポートの強さを表わしています。日本のパスポートを最強としつつも、キプロスも16位にランクインしています。

(出所:The Henley and Partners Group

・低い税率:キプロスは他のヨーロッパ諸国と比べても税率が低いので、まとまった額を会社に投資したり、キプロスでビジネスを始める場合には、低い税率を享受することができます。

2. 日本と比べて安い物価

世界の消費者物価を比較するウェブサイトNumbeo.comでリマソールと東京の生活費を比較してみると、生活費は東京と比べて30%ほど低いという結果になっています。レストランでの食事は20%ほど高くなっていますが、食料品・日用品は45%ほど安いようです。


■キプロス投資プログラムによる市民権取得

<2019年5月15日~適用される新プログラムでの基準>

・犯罪歴がない
・キプロスで少なくとも6か月間の在留許可がある
・有効なシェンゲンビザを保有している
・キプロスに少なくとも500,000ユーロの永住用の住宅を保有している

<金銭的基準>

寄付以下の1および2
75,000ユーロResearch and Innovation Foundation(研究・イノベーション基金)または認可されたイノベーション企業または社会的企業
※ただし、以下の投資基準にあるキプロス企業・事業の購入・設立・投資を選択した場合は適用なし
75,000ユーロCyprus Land Development Corporation(キプロス土地開発公社)
投資以下の1~4のいずれか
2,000,000ユーロ開発中のレジデンシャル/コマーシャル物件、インフラプロジェクト/土地
2,000,000ユーロキプロス企業・事業の購入、設立または投資。資金は、同企業のキプロス国内のみへの投資目的に使用されること。
2,000,000ユーロ登録代替投資ファンドまたはキプロス証券取引委員会からライセンスを受けたキプロス企業・組織の金融財産への投資
2,000,000ユーロ上記1~3を組み合わせて合計で2,000,000ユーロ以上

(出所:KPMGを元にPropertyAccess.co作成)


次回は、キプロスの不動産購入に関する税制について見ていきます。


※本記事は、執筆時時点で信頼できると思われる情報を元に作成されていますが、法律・税制度は変更される可能性があります。