不動産投資信託（REIT）のMREITは、オフィススペースのポートフォリオの成長を維持するにあたって、IT-BPM（情報技術ビジネス・プロセス・マネジメント）業界の継続的な成長に期待しています。

MREITはまた、母体であるメガワールド・コーポレーションのリテールスペースをポートフォリオに組み入れることも検討しています。

MREITのケビン・タン社長は、IT-BPMセクターが労働力のニーズに対応して地元の優秀な人材の活用を進めるにつれ、MREITもは今後もオフィススペースのポートフォリオを拡大していくだろうと述べました。

「BPO（ビジネス・プロセス・アウトソーシング）業界は安定しており、お客様と話す限りでは、仮に課題があったとしても一時的なものだと考えています。市場の稼働率は長期的には安定し、向上していくでしょう。」とタン社長は語っています。

タン社長は、IT-BPM業界は長期的な成長が期待でき、一等地に位置する魅力的なエリアでのMREITの事業拡大計画を実現するのに役立つだろうと述べました。これには、マニラ首都圏内外にあるメガワールドの優良タウンシップ物件も含まれます。

MREITは、「メガワールド・ライフスタイル・モール」名を掲げるメガワールドの商業施設ポートフォリオ（総賃貸可能面積 約48万4000平方メートル）を活用し、資産の多様化を図る可能性も示唆しています。タン氏によると、メガワールド・ライフスタイル・モールのテナント売上は、パンデミック前のレベルを超えて伸びているということです。

メガワールドとMREITは先に、7つのグレードAオフィス資産をMREITに追加組み入れする計画を発表しました。これらの物件の総賃貸可能面積は約150,500平方メートルで、昨年の賃料収入は12億ペソ（約31億円）でした。

追加取得する可能性がある物件には、マッキンリー・ヒルのツー・ウエスト・キャンパス（9,500平方メートル）とテン・ウエスト・キャンパス（36,400平方メートル）、マッキンリーウエストのサイエンス・ハブ・タワー3（20,500平方メートル）とサイエンス・ハブ・タワー4（20,700平方メートル）、イロイロ・ビジネス・パークのワン・フィンテック・プレイス(18,200平方メートル)とツー・フィンテック・プレイス(18,100平方メートル)、ダバオ・パーク地区のダバオ・ファイナンス・センター（27,100平方メートル）などがあります。

タン社長は、これらの物件は94％という高い平均稼働率と優良なテナントを誇り、投資家の皆様に持続的な成長と価値をお届けするというMREITのコミットメントに向けた重要な一歩となると話しています。今後、スポンサーのメガワールドとともに、資産の実行可能性を確保するための包括的な財務・法務・技術デューデリジェンスを実施し、第3四半期中の正式契約締結を目指すということです。

MREITは、新たな資産の投入が完了すれば、ポートフォリオが現在の32万5,000平方メートルから46％増の47万5,500平方メートルに拡大し、2024年末までに50万平方メートルの運用資産を持つという同社の目標に近づきます。

現在までに、MREITのポートフォリオには、4つのメガワールド複合開発内の18のオフィス物件が含まれています。2021年の新規株式公開以来、メガワールドはすでに8棟のオフィスビルをポートフォリオに組み入れ、これまでの2件の買収を経て、その価値は25％増の620億ペソ（約1,619億円）に達しています。




2020年以降、国内大手デベロッパーは続々とREITを立ち上げ、オフィスタワーや工業用不動産といった収益資産をREITに組み入れています。マニラ首都圏以外でもアウトソーシング企業や従来企業がオフィススペースの成約を進めています。総合不動産サービス会社コリアーズ・フィリピンは、このような背景からオフィスタワーはREIT資産としてその可能性を維持するだろうと述べる一方で、デベロッパー各社に対して、リテール業界の回復の波に乗って、リテールREITの立ち上げを推奨しています。

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（出所：Malaya.com、Colliers）