[オーストラリア] 2023年の住宅価格は8.0%上昇

2024/01/04


2023年のオーストラリアの住宅価格は上昇し、2022年の5.0%の下落から大きく好転しましたが、金利上昇と持続的な生活費の圧力により、年末の数ヶ月間、上昇ペースはやや鈍化しました。



不動産コンサルタントのコアロジックが発表した数字によると、2023年の全国住宅価格は8.1%上昇しましたが、2021年に記録した24.5%を大きく下回りました。12月の価格上昇率は0.4%で、2月以来の小幅上昇となりました。



シドニーは年間11.1%の上昇を記録しましたが、それでも2022年1月のピークを2.1%下回りました。住宅価格の中央値は113万豪ドル弱(約1億円)でした。



他のほとんどの都市では住宅価格が上昇し、パースは15%、ブリスベンは13%上昇しましたが、メルボルンは3.5%の上昇にとどまりました。



しかしコアロジックのリサーチ・ディレクター、ティム・ローレス氏によると、金利上昇とインフレに加え、値ごろ感の問題、広告在庫水準の上昇、消費者心理の低迷が、2023年後半にかけて市場から若干の熱を奪っており、2024年前半まで続くだろうということです。



オーストラリア準備銀行(RBA)は11月、インフレ期待が不安定になるとの懸念から、金利を0.25ポイント引き上げ4.35%としました。2023年5月以来、425ベーシスポイントもの大幅な利上げとなりました。



オーストラリアの家計は、急上昇したインフレ率の高さから幅広い経済的な圧力にさらされています。インフレ率は、前年12月に7.8%まで上昇しましたが、第3四半期には5.4%まで鈍化しています。RBAは、借り手の大多数は住宅ローンの返済ができるだろうと考えています。



2024年の金利の動向は、住宅動向に影響を与える重要な要因となります。ローレス氏は、データから、金利の再引き上げの「可能性はますます低くなっている」として、金利引き下げがあれば、年後半の需要を喚起するのに役立つだろうと述べました。



「金利が低下すれば、消費者心理が好転し、住宅取引や住宅価格が今年後半にかけて上昇する可能性が高いでしょう。」と述べています。




(出所:Reuters